
Artist's commentary
空も飛べないので、私は歩いて帰った。
帰った頃には運動不足のせいか、息が上がっていた。帰るまでに、誰にも会わなかったのは幸運だった。玄関を開けると、 永琳と鈴仙とてゐが今、外に出ようとしていた。「姫様っ!」私の顔を見るなり永琳が私の名前を呼んだ。「・・・姫様、やっぱり、外に出ていたウサか。心配していた・・・ウサよ。」ほっとした様にため息をつくてゐ。鈴仙は腕を組みながら、黙って私を見ている。3人は、なんで玄関に集まっているのだろうか?。それはやっぱり、居なくなった私を心配して探しに行こうとしていた所だったのだろう。私を注目している3人の視線に胸を付かれる様に感じた。「姫様、大丈夫でしたか?。どうして、急に外出なんて・・・。今、皆で探しに行こうとしていたのですよ。何かありましたか?」永琳は心配そうに私を見る。私は、早くこの場を離れたかった。・・・3人が私の為に集まったという事実が・・・気を使わせてしまったという事が嫌だった。私が足早に立ち去ろうとすると、永琳が私の手を掴み「姫様、・・・な、何かあったのなら、私に相談して下さい。」と私の行く手を阻む。な、なんでもない。・・・手、離して。と息の調子の合わない声で私が言うと「・・・そうですか・・・。・・・でも、私嬉しいです。・・・姫様が自分から、外に出るなんて。折角ですし、今日はみんなと一緒に食卓を一緒にしませんか?。姫様がお外へ出れた記念ですし・・・」と永琳が屈託の無い笑顔で言った。「うるさいっ!」と永琳の言葉に反射的に叫んでいた。「あ、あ、ああっあ、あ‘あんた、ょけいな事、しないでよっ!!」と永琳を睨みつけて叫んだ。叫んだけど、息が切れていたせいか、久々に大声を出したせいか、うまく発音できなかった。聞き取れない言葉を叫んだの事に急に羞恥心が沸いてきた。3人も、何言ってるんだ?こいつ?という顔をしていた。私は、永琳の手を乱暴に振り払って、自室に飛び込んで、勢い良く戸を閉めた。戸を閉めた後、私はどうしようもなくて、どうしようもなくて、その場にうずくまる。部屋の外からは3人の声がひそひそと聞こえた。・・・止めて欲しかった。・・・いらない親切だと思った・・・・鬱陶しいくて、鬱陶しくて・・・。でも、そんな事よりも、心配した永琳の気持ちを無碍にした自分の情けなさが、ただ辛かった。