Title:「なあ怜」

「あん？何やねんセーラ、気安く肩に手置かんといて。ホンマ馴れ馴れしいやっちゃなお前」 「いやいや俺らん仲やん」 「冗談やって♪」 「分かっとるわ、それよりお前フナＱを無理やり福岡に連れてこうとしたんやって？」 「ん？あぁ、せやけどフナＱも行くー言うてたで」 「せやから無理やりやろ？あんまいじめんなって」 「なん、てかそれお前フナＱがチクったんか？」 「チクられたんちゃう、何や普段とちゃうから俺が聞き出しただけや」 「何やねんお前、フナＱのナイト様か？お似合いやん」 「はぁ？何言うてんねんお前？困っとる後輩おったら助けるんが先輩やろ」 「後輩？……私が困っとったら？」 「もちろんいの一番に俺が助けたるわ！竜華だってな！」 「は、これやもんね。……フナＱも難儀なヤツに惚れたわホンマ」 「ん？何か言うたか怜？」 「セーラお前難聴か？お前はホモ臭い言うたんや」 「ほっ！！？俺は女やボケっ！！」 「それ踏まえたうえでホモや言うてんねんドアホ。近づかんといてくれる？ホモが移るんで」 「お前……、お前の言いたいことはよぉ分かった、校舎裏来いやコラ」 「何や、私殴る気ぃか？」 「せや、ぶん殴って根性叩き直したるわ」 「ホンマに殴るん？」 「ホンマや！女に二言はあらへん！」 「ホンマに？」 「えと、まあ、でこピンくらいで勘弁したってもええけど……その、あの」 「甘ちゃんやなセーラ、いつかお前女に足元掬われんで？」 「俺は女や！！」 「説得力ないなぁ、騙されんうちに身ぃ固めといた方がええんちゃう？ほれ、部員ん中にしっかりしとるヤツおるやろ？それなんかどや」 「しっかり？泉か？」 「……まあ泉もええけどな。せやけど菫泉も捨てがたいもんな……、いやそもそも照菫、淡菫、菫宥が……」 「何の話や？」 「お前ホモやなって話や」 「お前大概にせぇ！屋上来いやコラァっ！！」 「やかましいわ、ダルいっちゅーねんクソボケ死なすぞ」 「お前、ケンカで俺に勝てる思っとるん？」 「クロスで鼻パンかましてそんまま頭ひっつかんで顔面に膝数発ぶちこんでオーバーキルやん？もう見えてるで」