
Artist's commentary
【pixiv妖戦記】 或る女 【合作】
回廊を抜けると其処は極夜の国だった。 ■月星無い暗い空が深淵の海と混じり、上下の境界も曖昧な魚眼の世界。 ■地下にまさかこの様な場所が在るとは露知らず、思わず見惚れ足を止めた。海に浮かぶ石造りの城を中心に波紋の如く広がる城下町からは、唯一この宵闇を照らす明かりが漏れている。 ■その光を受け、漆黒に溶けていた何者かが形となった。それは骸骨を模した鎧に身を包んだ女性。目の前に現れた彼女は、此方を見下ろしながら口端を持ち上げる。 ■「此処は我らが北方鬼軍が本拠『地殻郷』。貴方は何処の命知らずさん?はたまた自殺志願者さん?」 ■笑みは過ぎて歪みと変わり、手を翳すと影の様に控えていた無数の黒子が身体に刀を突き立ててきた。 ■「旅の途中に見つけただけだ。お前さんの眉間に皺の寄ることはしないつもりだよ」 ■手応え無く凶刃はすり抜け、反動で舞った毒に膝をつく黒子達。益々愉快そうな女性から吐息が漏れる。 ■「あら貴方、簡単には壊れないのね」 ■役得役得、と組んだ手に顎を乗せ情熱的な眼差し。そして慇懃にこう述べた。 ■「地獄にようこそ」 ■それは昔々の物語。
■左【pixiv #889707 »】。keiさんとの合作です。
■企画主様【pixiv #527116 »】 ■「永久就職先なら斡旋してあげるわよ?」「だが断る」