抱き上げた彼女は、驚くほど軽かった。駆逐艦にしては長身な彼女だが、こんなにも華奢な体つきだったとは。力を入れたら折れてしまいそうな、細く、薄いこの身体で、艦隊防空の任を一身に背負っていたのか。いつも「大丈夫!」と健気に皆を励ましていたというのか。こんな少女を戦場に出さなければならない世界は絶対に間違っている。必ずや深海棲艦との戦争に決着をつけなければならないと、私は彼女の重さに改めて誓った。
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