それは肌寒くなった頃、誰が最初に言ったのだろう「暖房器具が欲しいな」と
たしかクリフだっただろうか、もしかしたらジョシュアだったかもしれない、先生である彼は生徒たちが今よりも快適に過ごせるようにと願って、日本の代表的かつ視覚的にも暖かいと思える「こたつ」を施設に導入したのであった。
生徒達はとても喜んでいた、いつも遠慮しがちなチェルシーやステラに先に入ってもらうと、暖かい暖かいと二人は頬を赤くさせて感想を伝える、今までは厚着をするしか防寒方法は無かったのだ、そりゃあテンションも上がるし先生自身もこたつに入って暖をとりたいと思うだろう。
ジョシュアと共にこたつに入る、手足が冷えていたようで、熱が自身に伝わった瞬間に熱いと感じた。
しばらくすると眠気がやって来た、足先が暖かくなると眠くなるという話をどこかで聞いたことがあるがなるほど、確かに眠くなる、このまま眠ってしまおうか。

幸せな夢は突然に終わる、それは現実でも同じことであった、そう、起こってしまったのだ、凄惨な、後に大きな爪痕を残すであろう悲劇が＿＿＿

この日以降、こたつに入る際ジョシュアは持ち物検査必須となった