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Artist's commentary
ヨイツ村の記念写真用看板
ひどく粗末な素材に、ベタ塗りの絵の具で描かれている。顔の部分には穴が開いていて、顔を出して写真を撮ることができるようになっている。その切り口はかなりいい加減だ。単色でも塗ればいいのに、背景に相当する部分には何も描かれていない。この奇妙なオブジェを、好奇な目で眺めていると、近くの土産屋の中から一人の老人が出てきた。その土産屋の店主らしく、「(汚くて読めない)屋」と書かれた羽織を羽織っている。老人は私の方へ近づき、皺だらけの顔をさらにクシャクシャにしてこう言う。「学生さんかね。この辺は何もないけえのう。ま、ここらは昔『ほろう』云う神さんがおったらしいんよ。ほんで…村のモンで観光名所にならんかのー、てことでね、その看板をこしらえたんよ。ま、せっかくじゃけ、写真撮ってあげるけえ、そこから顔出しんさいや。」私は口を挟む間もなく、カメラを取り上げられ、その『ほろう』なる看板の穴に顔を入れられ、写真を撮られてしまったのである。