
Artist's commentary
霊夢と賽銭箱と、時々玄爺
霊夢が賽銭箱の中身の額を勘定しようと賽銭箱を開けると中身は空でした。
霊夢はビックリして思わず賽銭箱を閉めました。 今のは何かの見間違いだと、再び賽銭箱を開けると、なんとそこには一銭たりとも金目の物は入っていなかったのです。
霊夢は思わず賽銭箱を閉めましたが、きっと疲れていて目が霞んてしまったのだと、覚悟を改めて賽銭箱を開けました。 するとそこにはよく解らない虫の死骸や、枯れ尽くした枯葉の他には何も入っていなかったのです。
霊夢は再び賽銭箱を閉めましたが、きっと幻覚を見たに違いない、最近あまり寝てないから、お金が【ありもしない物】に見えたのだと思い直し、賽銭箱を開けました。 するとそこのには【虫の死骸】や【枯葉】の他には映りこむ自身の影しか無かったのです。
驚いた霊夢は気がつけば賽銭箱を閉めていましたが、気のせいだと思い直し再び賽銭箱を開けると、やっぱり中身は空なのです。
思わず賽銭箱閉めてしまいましたが、きっと妖怪の山の神社でお金をたらふく孕んだ真新しい賽銭箱を見た反動だと思い直し賽銭箱を開けると、やっぱり賽銭額は0円なのです。
思わず賽銭箱を閉めた霊夢でしたがこれは何かの間違いに違いない。 ほくそ笑む早苗の顔が浮かぶのも気のせいだと思い直し賽銭箱を開けると正面からだと見えにくい位置に何かが…、うわっと思い思わず拾い上げましたが、それは干乾びた玄爺でした。
きっと疲れのせいで幻覚を見たに違いない、と無かったことにして再び賽銭箱を開けると、なんと早苗の首が嘲る様に笑っているのです。
思わず賽銭箱を閉めましたが、きっとさっき早苗の事を考えていたせいだと自分に言い聞かせました。 先日の酒宴でさんざん先輩ぶった手前賽銭の額で大きく下回るどころかスッカラカンだなんて元祖幻想郷巫女として立つ瀬がない、やはり何かの見間違いなんだと思い賽銭箱を開け直すと、やはりこざっぱりした賽銭箱の底しかないのです。
残ったのは黄昏時を迎えた太陽の橙色の光と葉擦れの音、霊夢の瞳から零れ落ちた微かな哀愁の雫と上腕二頭筋を刺すような筋肉痛の痛みでした。
「…グスッ」
※※1000文字以内にしてくださいって怒られた(´・ω・`)※※