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Artist's commentary
堕落の聖棺
どうして。
私には確かに、豊か過ぎる程の贅沢な暮らしがあった。お嬢様お嬢様と慕われ大人たちから守られ清潔で美しい、優雅な時間があったはず。
だけど今は、その時の真逆だ。言葉を話す人としての尊厳すら奪われ、汚らしく口元を涎で濡らし、鼻を突くような汚臭を放つ拘束衣で自由は無い。ここに来てから身体を洗うことすら許されず、垂れ流される尿、汗、涎が服に染みついてゆく。
ここは隔離地下闘技場。選出された者が強制的に収容され、富豪達の見世物にされる地獄。かつて私も「見る側」だった。でもまさか…まさか自分が此処に来ることなんて想像もしてなかった。
そう…だから私は知っている。ここに助けなんて来ない。きっと壊れるまで、この汚らしい拘束衣と口枷を咥え、性欲に悶絶しながら、強制的に同じ収容者と戦わせられる。
此処に来て一月。今日も同じように連れ出されるまで欲求を自分で処理し、対戦相手を前に尿を垂らす。。
私たち種族の寿命は長い。もはや尊厳を捨て、盛大に堕落しよう。それが唯一、解放されるから。
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戦える拘束衣があったらいいなと思いまして。
二年前に描いた「黄昏時の慙愧」と似た構図なんでタイトルもなんかそれっぽいものにした。比較するとかなり変わったなあと。