あなたはすごく優しいひと、
だから最初はただの変な人間だと思っていた。

だって私達は︎︎「人形」、それもあなた達人間に代わって戦闘を行う「戦術人形」。

そんな兵器同然の私達にも人間と同等(いや、あなたの場合は人間以上かも)優しく接してくれるんだもの。
そんな姿にわたしも含めてたくさんの人形達が魅かれていった。

しばらくしてわたしの中には、「指揮官の1番になりたい、指揮官をわたしのものにしたい」
という思いが芽生え、それは日に日に膨らんでいった。
でも指揮官の周りには常にあなたに気持ちを寄せている人形がうじゃうじゃいる。
まるで虫みたい。
……邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔邪魔邪魔邪魔ジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマ

指揮官もそいつらのことジャマよね。
だってわたしと一緒にいる時、とても楽しそうじゃない、わたしと一緒にいたいよね。
でも指揮官は優しいからジャマだって言えないのよね、じゃあわたしが手伝ってあげる。
大丈夫、壊したり傷つけたりはしないから。

それからしばらくしてあの人の周りにいた虫たちは徐々に減っていき、数日後には1匹もいなくなった。
噂っていうのは本当に広まるのが早いのね、
でもこれであなたを愛せるのは私だけだってことが分かったでしょ？
あんな身も蓋もない噂だけであなたを見捨てる人形なんてあなたに相応しくないよ。

あとは簡単だった。
多くのものに裏切られ精神的に疲弊したあなたに手を差し伸べる、

「指揮官、わたしだけはあなたの味方だよ」

そしてあなたにとってわたしは唯一の存在になったし、わたしはあなたを手に入れた。

指　揮　官　愛　し　て　る

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