瀟洒であり続けることは、いわば生涯走り続けることと同義である。
夏の暑さにも、冬の寒さにも負けず、
雨にも負けず、風にも負けず、
ただひたすらに己を研鑽し続けなければならない。
そこまで努力してもなお、叶えられないことは多い。
その筆頭と言えるのが、自機――
「……腋を出すのがトレンドだとしても、それでは二番煎じ」
トップと次点がそろっているのだ。同じ土俵で勝負をしても、越えることは難しい。
ならばどうするか。
「私はメイド。メイドの領分で勝負するしかない」
先日、香霖堂へ足を伸ばしたところ、外の世界で猛威をふるっている
ポーズがあると、霖之助に教えてもらった。
その話の間、彼はにやにやと咲夜を眺めていたが、説明を受けた後になって思う。
――幻想郷でも通用する！
咲夜はおもむろにスペルカードを発動させると、ポーズを取った。
萌符「MMQ　～十六夜咲夜の幻想～」
「……このスペカを見た者は、死ぬ」
■咲夜さんはいつでも努力を忘れない。実るかどうかは別として。