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Artist's commentary
東方紙芝居⑥
読んでくれている方、ありがとうございます。画像は戦闘風景イメージです。レミリア好きな方を怒らせてしまわないか心配です。 「吸血鬼達は困惑していました。城にはスカーレットの姿は無く、代わりにいた少女に吸血鬼が滅ぼされかけています。しかも、少女は自らをスカーレットと名乗ったのです。その手にはかつてスカーレットが持っていた神殺しの槍が握られ、吸血鬼など心臓に刺されてしまえば消滅してしまいます。皆、目と耳を疑います。伝説に聞いた彼女は、紅に映える金色の髪を持ち、色鮮やかな羽を躍らせ、優雅に踊るように神具を振るったのだといいます。しかし目の前の少女は、血で汚れるような髪色をし、神具を持つ手はその力に負けて燻り続け、立ち振る舞いも優雅に欠ける。そもそもあの羽は何だ、あれではまるで獣のようではないか。あれが吸血鬼であるはずが無い、あれは不細工な模倣品だ。吸血鬼達はそう否定しましたが、戦況は一向に覆りません。いつの間にか妖怪達が集まり、『吸血鬼同士』の争いに目を奪われていました。戦争のことを忘れ、強大な力に魅せられ、最後の一人になるまでの1週間を見続けていました。他の妖怪に区別なんてわかりません、彼らは最後に立っていた少女を吸血鬼と呼びました。1週間の間に争いをする妖怪の数が激減しました。彼我の力量の差に絶望し退いていった者達です。それからは争いも下火になり、争いを好むものは吸血鬼の少女に挑戦し、敗れていきます。いつしか少女は妖怪達の世界を統べる、夜の王と呼ばれ、少女は自らをレミリア・スカーレットと名乗りました。」