ルーミアは月を見上げて泣いた。彼女の夜の闇は全てを覆い尽くすが、どれだけ力を付けても、あの夜空の月とその廻りの星々には絶対に届かないのだ。決して覆せない存在なのに、月の光はあんなにも優しく微笑みかけてくる…もはや彼女の理解の範疇を超えたそれは、何故かかつて巫女から聞いた「母」という存在と重なり、ルーミアはさらに泣き続けた。
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