
Artist's commentary
東方香霖堂発売予定
以前、僕が著書として発表することを目指して書きためていた日記があったのだが、ある程度文章量がまとまりいざ編纂・公開作業に入ろうとしたところで、あろうことかその日記を紛失してしまった。 そこで一度は発表を諦めた『東方香霖堂』だが、実はその後密かに、空いた時間と記憶を頼りに2年ほどかけて再編していたのだ。無事編纂作業も終わり、さあいよいよ人世間に向け発表しようというところでまたも現物が消えてしまった。 前回を教訓にして、努めて紛失や盗難に遭わぬよう注意して保管してきたのだが……ここまで来ると特定個人の仕業と疑わざるを得ないだろう。心当たりもあるといえばある。 以前、稗田の現当主と話をした時に、彼女が書いている幻想郷にまつわる書物を編纂する際“妖怪の賢者”と呼ばれる者に内容の審査を受けたという。 僕の書いた日記にも、幻想郷における通念を外れた内容がいくつか記されていた。特に現在の幻想郷には、外の世界の文化の発達により存在を危ぶまれた者達が多く住んでおり、外の世界の品物を取り扱う僕が書いた日記は、僕が思う以上に妖怪達にとっての危険な書物なのかもしれない。 しかし、事情はともあれそれならそれで書き上がってから奪うのではなく、書く前に忠告して欲しいものだ……。(とある店主の独白より) ■↑と見せかけて魔理沙がパクってると思うよこのスポンは!