
Artist's commentary
セックスの授業
一応希望は出していたけれど、まさか実現するとは思っていなかった。
生徒同士でペアを組まされるのはお互いが希望を出していた場合だけだ。
昼飯を一緒に食べたり、放課後一緒に遊んだりしていたのにどうして気づかなかったんだろう。
これまでそんな様子は一切感じなかったのに。
学校で用意しているタオルケットは学年でも指折り数える巨体を隠すには小さいようで、森山は少し膝を曲げた形でくるまっている。
最初は寒がりなのかなと思ったけれど、冬でも厚着しない森山が寒がりなはずはない。
タオルケットにくるまった姿はなにやら萎縮しているように見える。
互いに望んで実現している授業なはずだけれど、何か嫌なことでもあるんだろうか…。
そういえばこの前先生以外とのセックスの経験は無いと言っていた気がする。
もしかしたらそのことを気にしているのかもしれない。
「か、体が毛深い…からさ、間近で見られて幻滅されたくなくて…ははは…」
体育の授業や他の場面でも森山の裸を見る機会はいくらでもあった。なのにどうして今更恥ずかしがることがあるんだろう。
「別にいつも通りじゃん。そーゆーとこ含めて良いなと思って俺は森山を希望したんだからさ。」
森山の視線がゆっくりと上下に動く。
目の前の俺の体と自分の体を比較しているのだろう。
「体を見せてくれないか?」
一瞬目を見開いて驚いた様子を見せた森山だったが、俺がじっと見つめていると、観念したように小さく息を漏らした。
森山は目を瞑るようにして顔を横に逸らし、自分の手でゆっくりとタオルケットをずらしていった。
日焼けとは無縁の透明な肌に、色の濃いカールした体毛が体の起伏に沿って流れをつくって生えている。
森山が恥ずかしくならないよう、体を隠すように上から覆い被さる。
森山の胸にそっと手を当てると、そのまま腹の中心までゆっくりと登っていく。
指の腹で感じる毛の感触が心地いい。
このまま始めてしまってもいいのだけれど、どうしても先に聞いておきたい事があった。
「なんで俺を希望したんだ?友達の中から選ぶってんなら他にも候補は沢山いるのに。」
素朴な疑問だった。
俺も仲は良い方だと思っているけれど、俺よりも森山の側にいることが多いヤツらはいっぱいいる。
「リスク…を考えて…」
リスク…?一体何を言っているんだろうと考えを巡らせていると、俺より先に森山の口が開いた。
「先生が言っていた話。“セックスの授業は相手に恋をしてしまうリスクがある”って。」
そういえば先生がそんな話をしていたなと思い出す。
「だから、好きになってもいいと思える人を希望するようにって…」
さっきまで緊張で縮んでいた森山の中心が熱を帯びて固くなっていくのを感じる。
「だから俺は…」
言葉の続きは授業が終わってからゆっくり聞こう。
今はまず、俺の気持ちをこれでもかってくらい森山に教えたほうがよさそうだ。
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