
Artist's commentary
ブルアカ小説同人誌のイラスト寄稿のお話し ミレニアム編 その2(全体公開)
さて、引き続きアラベスク様のサークル、ゆめがたりのさとにて頒布されましたブルアカ短編小説集(ミレニアム編)『先生、少しお時間いただけますか?』の紹介記事となります。
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今回表紙を飾るのは早瀬ユウカ、生塩ノアの二人となりました。
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ゲームの内容を知ってる方にはひと目でわかると思いますのが、ご覧の通り大胆に『大人』の装いでアレンジしております。
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■構図
アラベスク様からいただいた当初のオーダー内容は以下のとおりです。
(一部文抜粋)
・OL姿(ユウカ:レディーススーツ、ノア:オフィスカジュアル)
机に向かっている先生に対して、ノアユウカが並んでいる。(先生視点という意味で、先生の描写は必須ではない)
ユウカ:腰に手を当てて人差し指を立てている(ちゃんと確定申告しないとダメですよ、みたいなイメージ)
ノア :少し屈んで先生の顔を覗き込むような感じで、ユウカと先生のやり取りをほほ笑ましそうに見ている
…とまあ、指定に関しては服装イメージ以外ほぼ別といった仕上がりの構図となりました。
これは理由として、指定そのままに絵を起こすとキャラ配置が前後になりそうな構図になる可能性があり、そうなると本のテーマの一つであるオムニバス性が薄れてユウカ、もしくはノアが主役と認識されそうな恐れがあると思い、割と早い段階で構図の変更を申し出ました。
結果二人仲良くシャーレのオフィスの机の前で並び立つような図となっております。
今回の大まかな表紙イメージは以下の通りです。
~ゲーム本編から年月の経ったシャーレのオフィス。
先生も『シャーレ』から離れ、連邦生徒会によって半ば永久保存という形で残されたその部屋は、卒業した生徒たちの思い出の品が大切に保存され眠っている。
時折、かつての生徒たちが昔を懐かしんでここを訪れたり、連邦生徒会に許可をとっては同窓会や人生・進路相談、夜の飲み会の場など様々理由で利用している。
今回はノアとユウカが元オフィスに人生相談の話し相手として先生を呼び出して(日頃の生活の鬱憤を晴らすべく)飲み明かす…~
■生徒について
・ユウカ
キャリアウーマンのイメージでデザインしてます。
髪型に指定はなかったので、オリジナルにあったサイドツインテールを削除してウェーブがかったセミロング風の髪型にイメチェンです。
次いで体型もよく言われる太ももはおろか、胸も現役時代より更に成長を遂げ、某セミナー会長とタメを張れるレベルに達しているイメージです。
(本文でも少し触れてます)
今回の作品の中では最もオリジナルから強くアレンジした生徒だと思います。
・ノア
コチラはバッサリとショートカットに大胆アレンジです。
ノアの性格だと割と躊躇なくやりそうな感じがありまして、実際描いてみるとオリジナルにあった幼さが良い意味で消えた感じがあってこちらも気に入っています。
服装に関してはオフィスカジュアルなのですが、ここはちょっと似合うイメージの模索に苦労しました。
肩に羽織っているカーディガンは当初は無かったのですが、これが無いとシルエットが落ち着きすぎて成人女性を通り越して人妻的な雰囲気まで漂ってしまい、そのバランス調整に苦慮した形でした。
色もあまり暖色のイメージのない彼女ですが、意外とそこまで崩れなかったのでそのまま現在の姿で採用となりました。
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また本のタイトルレイアウトで隠れている二人の下半身ですが、ちょっとした拘りが有り、いずれも足が筋張った感じのデザインにしております。
(ユウカに関しては手の甲も)
ちょっとしたキャラ造形のうんちくとなりますが、昨今の女の子キャラの造形デザインの世界ではあまり現実的な肉体造形にし過ぎると、良くも悪くも顔のほうれい線のような記号になりがちで老けた印象になってしまいます。
(お絵描き講座の動画でもあまり手や足の甲の筋は最小限に抑える、あるいは消すのを勧めるのが通例でしょうか)
ですが、今回は敢えてそこを強調することで『10代』で無くなった大人の社会を生きる彼女たちを表現しております。
あと、単純に今回のOLファッションの参考に色々実写を見て回ったのですがどうしてもハイヒールの上から浮かび上がる筋が目に入るんですよね…。
まあここは自分の何らかのフェチかもしれません…。
■背景
背景が前回のヒマリ本と同じくシャーレのオフィスなのは作品アイコンとして非常に使い勝手が良く、情報量も出しやすい場所でもあるのでついつい多用しがちですね…。
今回は『卒業後の世界観」がテーマであるのでそれに沿った小物配置をしております。
画面奥(ユウカの頭上)のコルクボードにはかつて先生と共にした生徒の愛用品や日常的に使っていた装飾品(または記念写真)などを飾っています。
ワカモの狐面やゲヘナ風紀委員会の腕章など本編でおなじみのものですが、今は使うことのないそれらの物がひっそりと佇むように備え付けられているというちょっとしたノスタルジックな雰囲気を意識しております。
正直作画コスト的に背景に細かい小物が多ければ多いほど作業量も難度も跳ね上がるのですが、特に表紙絵に関してはテーマ性がひと目で伝わることが大事ですので、自分の場合は特に神経使って全体を構成しております。
次回は挿絵1P目の紹介に入りたいと思いますのでよろしくお願いします。