
Artist's commentary
【開発秘話】イメージアートにみるLA-MULANA2の変化
ご存知の通り、LA-MULANA2は開発期間がとっても長かったです。いや、いつものことですか。
そしてそれはKickStarterを使ったがために進捗を公開しなければならない、東京ゲームショウなどに出続けなければならない。その度に、年ごとに、イメージアートだったり配布用のポストカードの絵だったりを新たに描き起こすわけです。
改めて見ると、企画の仕様やストーリーの修正が絵に出てるんです。面白いので開発秘話がらみで解説入れてみましょう。
初期型ルミッサ
前作をいつものように長期間作っていたので季節ごとに作ってるポーズを見せるためのムービーを作っており、もうなんだかいつ終わるかわからないからウソばらまいてまえってことでエイプリルフールにムービーを出しました。その中にこの初期型ルミッサが出てます。
もちろん、そんなムービーのためだけにこんな絵を用意したりしません。LA-MULANAのキャラ絵を描いているときに同時に仕上げてます。そう、WiiWare版作っている時からLA-MULANA2の企画があった証拠ですわー。
しかし衣装はほぼ出来上がってるけど顔がまるで違うんねー。そらそうか。大して何も考えてないからね。しかしヘッタクソだねぇ。
企画準備版ルミッサ
上の絵から4年ぐらいはたってるか?副業でソシャゲのカードの色ぬりで武者修行してた成果か画力はそこそこ上がりましたね。ようやくペンタブでデジタル着色に慣れた頃だったかな。
これは暇つぶしにスケッチブックに落書きしていたら思いの外良い雰囲気になったので色つけて仕上げました。
そう。これは正式なキャラアートじゃないんです。だから膝までしか描いてない。
でもその場しのぎに使ったら長いことメインアートのように扱うことになってしまって認知度も上がってしもうた。
今のルミッサとは顔つきが違う。そりゃもちろんキャラが定まってないからね。このイラストをもとにした目つきの悪いデフォルメのファンアートが気に入って、徐々にきつめの顔に変えて行くことになるです。本人はキツ目ではなく流し目のつもりで描いてるんですがね。
KickStarter用イメージアート
問題はこれです。
各キャラのデザインはさっきのルミッサに合わせて一気に描きあげた。それも仮のつもりだったけど結局最後までキャラクターイラストはこの時描いたものを使い続けることになってしまった。4年前の絵だぞ。
ストーリーは決まっていたのでイメージアートも描けた訳で、内容は表せてると思うし、主要キャラも選んである。女性主人公なので女性陣は前向き、男性陣は後ろ向きにしてます。
問題なのは右下。これ、サマランタです。企画当初はムーブルクとともにマップ中を歩き回って活躍する予定でした。ムーブルクが身のこなしを利用して遺跡の調査、サマランタが遺跡知識で助けるってな予定でした。で、ラストダンジョンはこの2人が身を呈して仕掛けを解いてルミッサを先に行かせるなんて案もありました。ではなぜサマランタは脇に回ってしまったのか。
1)早い段階で歩いているNPCや村人と会話する機能をボツにしたから
2)思った以上にフォボウスが濃いキャラになってしまい、これ以上のキャラをサマランタにつけられると思えなかったから。
2)の理由がでかいけどね。そんな訳でこのイメージアートを最後にサマランタは脇に下がります。
急遽TGSイラスト
データは消し飛んだのではがきスキャン。急いで描いたのでルミッサのキャラは定まっておらず。ええんや、ゲーム内で定まってれば。見所はルミッサの奥。
手前の方にいるのはローカパーラ族のエルバル兵。その中にいるのが世界樹の罪人。予定では終盤の方までこいつもウロウロする予定でした。でも前作以上に序盤からいろんなエリアに行けるゲーム内容で場所固定イベントを管理するのは非常に大変・怖い・キモい。何が大変かというと、例えば序盤のムーブルク逆さ吊りイベントを見た人と見てない人がいるように、せっかく仕込んでも進行次第では発生させない・矛盾が出るなど面倒なのだ。茶番イベント程度ならごまかせるが、重要イベントはそうもいかない。ということでゲーム中では罪人には早々に引っ込んでもらうことにしてます。
ルミッサの髪の下にいるのがバフォメット。ケモナー?な方々に人気なようなバフォメットさん。だったら人間顔で出しちまえと最初の頃から構想にあった。
【開発秘話】LA-MULANA2ボツ語り部でも書いたNPCリストラの際に、ストーリーにも謎解きにもほとんど関係ないバフォメットも候補に挙がったんですが、せっかくコレに描いたしぃー、気に入ってるしぃーで残すことにしました。こういうこだわりは開発の終わりが見えずに焦るばかりの頃の良いモチベーションになるのだ。なるのだー。
奥にいるのがエキドナとヘル。エキドナは幼女体ですね。結構な隠し要素だと思ってたけどすぐ見つけられるんだから困ったもんだ。何年かけて仕込んだと思ってるんだ。ぷんすか。
胸に2って書いてますね。なんで2なんだろ。昔ティアマトのイラストを描いたときに1って書いた名残りかな。ジョカをカウントしてなかったんでしょうね。
ところでこの絵を境ぐらいにルミッサの右腿の星条旗+日本国旗を描かなくなります。「国旗をいじると怒る人がいるのでは?」なんて意見が出てたんですが、そんなものは聞きゃしません。シマシマを描くのが面倒になったからです。同時に右袖のバッジも描かなくなってる。
2016年賀状
延々と続くLA-MULANA2の開発に飽きてきた頃だったので、ものすごく時間と手間をかけて描いたのでとっても楽しかったです。
2017年賀状
あるイラストレーターの画風が気に入って自分なりに真似した。線画の段階で徹底的に描き込んで塗りをさっぱりにする感じ。手前2人描いて力尽きてるね。
この絵からムーブルクのスマホにあっぽーPEN描いてる。
そしてルミッサの胸ポケットから日本国旗も消えている。
こんな風に、自分がイラストを描くときは用事があって急ぎで描くことばっかり。なので背景まで描いている絵がほとんどない。急ぎで描くからネタも開発中に思いついていたことを即採用しているのでこの世な歴史が生まれるのです。
いや、開発が長いから歴史になっちゃうんだ。