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Artist's commentary
性癖が目覚める音が聞こえた。
夏が準備運動を始めたあの頃、私もある事情でタイツとパンストに関する癖の研究を始めた。肌を覆い、覆いながらも魅せる、その繊細で背徳的な布の世界。
調査の中で、ひとつの技法を知ることになった。タイツの中でぱんつを切り裂き、鮮やかかつ大胆に引き抜くという行為だ。
私は愕然とした。
ぱんつは、神聖で、慈しまれるべき存在だ。
その穢れなき布地が、タイツの中で無惨に散るさまを目にしたとき、私の心は、痛みと悦びのはざまで引き裂かれた。
「ーーこんな事が許されていいのか?」
私は殉じたぱんつに、ひそやかな祈りを捧げた。
同時に私は、自分が「タイツを越えた先には必ずぱんつがあるべきだ」という固定観念を抱いていたことに気づいた。しかしその幻想は、あまりにも儚く、脆いものだった。
ぱんつが先に現れたっていい。
あるいは、ぱんつだけが奪われ、タイツだけがそのかたちを保ち続ける。そんな、欠落の美。
欲望が想像を豊かにする。
タイツに守られたまま、本来あるべき内なる象徴を突然奪われ、世に放り出される桐藤ナギサ。
そこには、どうしようもなく抗えない魅惑がある。
そんな絵も描いてみたい。