
Artist's commentary
あーーーー魂揺さぶる絵描きてー
二週間ぶりの投稿ですね
複数案件の納期が朝の都内の電車くらい詰め詰めで中々シュババババでした
一旦ゆっくり休めそうなので、久しぶりにオリジナルイラストを描きました
やさぐれアイドル
タバコ吸ってそう
ちょっと前の話になるけど、近所にずっと古本屋があって、でもその前を通るたびに暖簾が締まっててどうやらもう閉店しちゃってるっぽいんです
でもこの前いつもは出歩かない時間帯に銀行に用事があったので出かけた帰り道、その古本屋の前を通ると暖簾が上がってる
おや…
中に入ってみるとめっちゃ狭いけど、古今東西あらゆる古本が置いてある
奥に見えるのは老紳士、店主だろうか
床に乱雑に平積みされた本が町の古本屋らしく趣深い
店主にどうして今日は空いてるのか尋ねたら、どうやら一日数時間しか営業してないらしい
ははーなるほど、今日はイレギュラーで出歩いて出会えたけど、いつもの行動規則に則ると自分と本屋は昼と夜だったんだ
面白そうな本が沢山並んでいたので、金子みすゞの詩集はあるか尋ねたら
丁度昨日売れちゃったよと残念そうなおじいさん店主
まじか、昨日
まじか
と思いながら、じゃあ寺山修司の本置いてあるかと訊ねたら、寺山修司ねぇ…どれ、この辺りに、寺山修司も人気で最近売れたから、今あるのはこの「花嫁化鳥」だね
寺山修司は最近興味があって、読みたいと思っていた作家だったから丁度良さげな本があって嬉しかった
おじいさんのおすすめで何かいいのありますかと訊ねたら、哲学はどうかと返答があった
近頃の人はもう討論をしなくなった
昔はね、討論が当たり前の時代で、哲学に花を咲かせていたんだ
三島由紀夫と東大生が大討論会をしたあの日、実は私は東大前を通ったんだよ
今の時代に哲学を学ぶことにどんな意義があるか
と渡されたのはニーチェの本だった
一回読んだだけじゃ分からないから、何回も何回も嚙みしめるように読んで骨身に染みさせて欲しいとおじいさん
ここで出会ったのも何かの運命だろう
本を読むと言えば、実は小説家の装画を描くにあたって毎回原稿を読むんだけど、小説家って凄い
言葉だけで頭の中に色んな情景を思い浮かべさせてくれて、しかもその人たちのツイッターを見てみると息をするように次回作を描いてる印象がある
物語のロジックとか頭のなかでどんななってんだろうってすっごい不思議
絵描きにもその人にしか見えない景色ってあると思うけど、物書きにも物書きにしか見えない景色があってそれは普通の人には見えない景色で何だか素敵だな
その人たちが見ている景色を絵にしたり小説にしたりして、私たちは芸術を嗜み楽しんでるんだよね、面白いね
#イラストグラム #イラストレーター